神話の国と
五穀豊穣の地、伊勢。
海岸と森のコントラスト、今なお息吹を感じる神話の数々–。伊勢は、『古事記』『日本書紀』などの歴史書に記された神話にまつわる地が多数あり、神話の国とも呼ばれています。日本国民の総氏神でもある日本の神々を代表する神、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢神宮など、神が日本をつくった「国生み神話」の舞台として古来より親しまれてきました。
もちろん、五穀豊穣の地としても知られています。伊勢神宮を訪れた人々が禊(みそぎ)をしてケガレを祓(はらう)ためにも使われた清らかな宮川水系の河川や、生命力溢れる海と山。芳醇な自然の恵みとともに、古来から稲作も盛んです。SHIKI(式)は、そんな神秘的でみずみずしいエネルギーを持つ伊勢の大地から生まれました。
お酒を作るには良い水と良いお米が必要です。SHIKIは、宮川水系の水と弓形穂(ゆみなりほ)という酒米で作っています。
弓形穂とは、山田錦の祖先とも呼ばれる三重県在来の酒米品種である「伊勢錦」の突然変異で出来た新しい酒米で、世界的にみてもこの酒米を醸しているお酒は、SHIKIしかありません。なぜ、このお米を使用するのか?それは、「常若(とこわか)」という日本古来の思想からです。
伊勢は「古くて新しいまち」と言われます。約1300年にわたって繰り返されてきた伊勢神宮の式年遷宮を通じて、伊勢には「常若(とこわか)」という考え方が染みこんでいるからです。古くなったものを作り替えて常に若々しくして永遠を保つ、という考え方。それは、伝統的に新しく作り変えることを想定して、ものづくりを行うということです。お米も酵母も時代に合わせて作りかえる、それが伊勢の酒造りです。SHIKIは新しいスタンダードを作りあげます。